昔は、三郷・松戸・流山(江戸川とその支流)でも捕れたという天然うなぎ。
便利で安心な生活と引き換えに、壊滅させていたんですよね(ー_ー;)
篠崎水門と行徳可動堰 |
数回前の江戸川の漁業権の話を書いた時に、漁業権で設定されている魚種として【鰻】も含まれてましたので「おぃ!それおかしいだろ?」って言われそうなんですが、現在、このあたりの江戸川で天然のうなぎはほぼ獲れません。
これは水が汚いとか改善すればすむ問題じゃなくて
河川の管理方法としてウナギが住めない環境を作っちゃったのですよね。
ウナギというのは、あいかわらず雑に言えば^^;、よく知られている鮭と逆のパターンの生態を持ってる生き物でして、普段は河川などに住んでますが、産卵の時だけ海に出て遥か3000キロも離れたマリアナ周辺で産卵をして親はそのまま死んじゃう。孵った卵(ほとんどプランクトンみたいなものですが)は、黒潮に乗って日本沿岸に、そこでやっと稚魚形態になって、河を遡上し淡水域で成長するって生態をもっているそうです。
ウナギの一生、左側が海で過ごす部分(wikipediaから) |
ところが・・・今の江戸川は、魚道もない河口堰で河を堰き止めてしまっていて、
稚魚がほぼ遡上不可の環境なんです・・・
江戸川の管理方法は、潮の逆流を防ぐ(なるべく汽水域を作らない)という考え方が基本となってまして、簡単に言えば海の水が河を遡らないように管理されてます。なぜ、そのような管理になってるかというと、三郷・松戸・流山周辺でも低い場所は標高3m程度でして、3mといいますと過去の東京湾の高潮記録を見ると3.08mを記録したこともありますので、三郷・松戸・流山周辺まで潮が入ってきちゃう可能性も決してゼロではないからなんですよね。
もちろん、堤防や防波堤がありますので高潮(江戸川への海水逆流)でいきなり街が浸水とはありえないのですが、このあたりまで潮がはいってきちゃうと水道のための取水口等が多数あり、非常に具合が悪い^^;
そのため篠崎・行徳のあたりの河口に河口堰を設けてまして、潮の関係で海の水が河に入ろうとすると締め切って遮断、流入を防ぐ管理となってるらしいのです。
ところがウナギの稚魚にとって見れば、
この潮が河に入る時こそ絶好の遡上チャンスでして
泳ぐ力が弱いウナギの稚魚なんかはこれがないと河に入ることさえ出来ないらしいのです。(鮎の稚魚なんかは、ある程度泳ぐ力があるので河から海の放流時にあがってくるようですが^^;)さらに江戸川の河口堰にはサカナが通れる魚道(船が通る閘門は篠崎水門にはあります)もなく、逆流を防ぐために河口堰を閉じれば遡上する方法はないらしいのです。
ウナギの稚魚(サンケイwebから) |
じゃもう、まったくこのあたりでうなぎが遡上する可能性はないの??って調べましたら
唯一の救いが『新中川』にありました^^;
新中川は、河口から上流にも係船スペースが多く、かつ水道取水口も農業用水取り入れもないため水門が開いてることが非常に多いらしく、その流れは高砂周辺で中川本流につながります。
このブログでよく書く”このあたり(流山。三郷。松戸)”を考えますと、
三郷の中川水系(大場川とかも含めて)であれば、まだ天然うなぎが捕れる可能性はあるということらしいです^^;
<こんな記事も書いてます(。・_・。)>
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